日曜朝放送の「サンデーモーニング」をずっと見てきたので、張本勲が亡くなられたのはとても残念だ。
ご意見番としての歯に衣着せぬ発言が何度も問題視され炎上してきたが、賛否は別として、発言に憎めない実直さがあり親しみを感じてきた。
亡くなったというニュースで、プロ野球選手としての華々しい活躍とあわせて、被爆体験や在日2世としての辛い生い立ちについて紹介されていたことから、自叙伝「張本勲 もう一つの人生 被爆者として、人として」を借りて読んでみた。
プロ野球選手になるまでの歩みは、本当の話なのだろうかと疑ってしまうほど、悲惨で波瀾万丈に満ちたものだが、それを乗り越えてきた力強さと同時にユーモア、そして家族愛が感じられてとても面白い。
中学を卒業したら、高校野球の名門校である広島商業に行きたかったが、けんか早いことが災いして、素行不良で不合格になったこと、第二志望の広陵高校の面接で、志望理由を「本当は広島商業に行きたかったが、入れてくれなかったので仕方なくここを選びました」と正直に言ってしまって、またもや不合格になったことなどが書かれているが、どんな少年だったかを知るエピソードである。
そうかと思えば、最終的に入学した浪華商業高校では、野球に打ち込むだけでなく、差別問題に関心を持ち、学校の弁論大会で優勝した経験もあるというから驚きである。
この自叙伝は、いろいろ考えさせられるところがあり、多くの人に読んでもらえるように、新しく新書本や文庫本にならないものだろうか。
